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カサンドラ症候群の対処法 – あなたの心を守るために知っておくべきこと

[2024.02.10]
<あなたはこんな悩みを抱えていませんか?>

◆パートナーがアスペルガー症候群や高機能自閉症と称される自閉症スペクロラム(ASD)の傾向がありそうで、相互のコミュニケーションに困難を感じている。

◆パートナーの言動に振り回され、不安や孤独を感じている。

◆自分自身も体調を崩したり、精神的に追い詰められている。

もしこれらの症状に当てはまるなら、あなたは「カサンドラ症候群」かもしれません。

 

現代社会において、ストレスマネジメントやメンタルヘルスは以前にも増して重要なテーマとなっています。特に、家族やパートナー間で発生する理解のギャップは、関係性におけるストレスの大きな原因となり得ます。そこで、今回はカサンドラ症候群(Cassandra Syndrome)に焦点を当て、その特徴、原因、そして対処法についてご紹介します。

カサンドラ症候群とは

カサンドラ症候群は、もともとは自閉スペクトラム症(ASD)のパートナーを持つ人々が経験する感情的な苦痛や孤立感を指すために用いられる非公式な用語です。特にパートナーがASDの中でも、アスペルガー症候群や高機能自閉症の場合に起こりやすいとされています。これらのタイプのASDの人々は、言語的なコミュニケーションや知的能力が通常レベルにあるものの、非言語的なコミュニケーションや共感の表現が困難です。そのため、パートナーは感情的なつながりが欠如していると感じやすく、孤独感や無視されているといった感情が募ります。このような感情的なギャップが蓄積することで、カサンドラ症候群として知られるストレスや情緒不安が発生しやすくなります。

自閉症スペクトラム障害(ASD)について

ASDは社会性とコミュニケーションの困難さを特徴とする広範な障害で、アスペルガー症候群と高機能自閉症は、以下のような違いがありますが似たような意味合いで使われることが多く、ASDの一部という位置付けになります。

  • アスペルガー症候群:知的能力が平均以上で、言語発達に顕著な遅れがない場合を一般的に用いられています。
  • 高機能自閉症:知的障害がない自閉症を指す非公式な用語です。

原因と症状

カサンドラ症候群の主な原因は、ASDと(著しい偏りがない)定型発達の人との間のコミュニケーションの困難さにあります。ASDの人には、以下のような特徴があります。

 

①コミュニケーションが苦手

コミュニケーションに支障があり、言葉のやり取り、非言語的な合図(例えば、身振りや表情)、そして他者との感情の共有に苦労することがあります。対人関係の構築と維持も難しいと感じることが多いです。

②こだわり

特定のことに強いこだわりのため、特定の行動の繰り返しや、限られた興味や活動に対する強いこだわりを示します。

③臨機応変な対応が難しい

柔軟性がない場合があり、日常のルーティンの変更に対して極端に敏感で、予期しない変更に対して強いストレスを感じることがあります。

④過敏性が高い

感覚過敏または過小反応のため、光、音、触覚など、感覚刺激に対して通常とは異なる反応を示すことがあります。特定の音や質感に過敏であったり、逆に感覚刺激に鈍感である場合もあります。

 

これらの特徴によって、パートナー間で誤解が生じやすく、自分自身に以下のような問題が生じます。

・相手の気持ちが理解できない

・自分の気持ちを伝えられない

・一緒にいて疲れる

・孤独を感じる

これらの問題は慢性的なストレスとなり、不安、抑うつ、無気力、孤独感、怒り、自尊心の低下、パニック発作、抑うつ症状などの精神的な症状や、頭痛、めまい、耳鳴り、胃腸障害、睡眠障害、食欲不振、疲労感、性欲減退などの身体的な不調を引き起こす可能性があります。

 

対処法

カサンドラ症候群は、特にASDのパートナーを持つ人々にとって、深刻な情緒的な苦痛を引き起こす可能性があります。しかし、適切なコミュニケーション戦略、専門家からのサポート、そしてセルフケアを通じて、その影響を軽減し、より健康的な関係を築くことが可能です。当クリニックでは、カサンドラ症候群を含む様々な感情的苦痛やコミュニケーションの問題に対処するための支援を提供しています。具体的には以下のような対処法が効果的で、これらの対処法についてサポートしていきます。

1. 感情の認識と表現

自分の感情に正直になり、無視しないことが大切です。パートナーが自分に十分に関心を向けてくれない、あるいはコミュニケーションが不足していると感じた場合、その感情を否定せず、適切に表現しましょう。感情をため込むとストレスが増大し、結果的に関係が悪化する可能性があります。

2. 共感の欠如を理解する

カサンドラ症候群は、主にアスペルガー症候群や自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つパートナーとの関係で生じます。これらのパートナーは、共感や感情の表現が難しいことがあります。このため、パートナーが意図的に無視しているわけではなく(悪意はなく)、感情の読み取りや反応が難しい場合があることを理解することが必要です。

3. 支援ネットワークを構築する

家族や友人、または専門のカウンセラーなど、信頼できる支援ネットワークを持つことが重要です。パートナーとの関係において感じる孤独感や不安感を、他の人に話すことで軽減でき、感情的なサポートを得ることができます。

4. セルフケアの実践

自分自身の健康を維持するために、定期的にリラクゼーション法や趣味を取り入れて、ストレスを軽減することが大切です。運動や瞑想など、心身のバランスを整える活動を日常に取り入れることも有効です。

5. 境界線を設定する

自分の限界を理解し、無理な要求を避けるために、パートナーとの間に健康的な境界線を設ける(構造化と言います)ことが必要です。これにより、関係がより安定し、自己のニーズを犠牲にせずに関係を築くことができます。なお、カサンドラ症候群のパートナーとの関係は、忍耐と理解が必要ですが、自身のケアを怠らないことが重要です。

到達目標は、個人や家族がより充実した関係性を築き、日々の生活において精神的な健康を保つことを支援することです。

当クリニックでのサポート

①個別カウンセリング

個々のニーズに合わせたサポートを提供し、感情的な苦痛の原因を理解し、対処法を模索します。(⇨「カウンセリングの無料相談」はこちら

②カップル療法

関係性の中で生じる問題に対し、双方が理解し合うためのコミュニケーション技術を身につける場を提供します。(⇒「夫婦関係カウンセリング」はこちら)

③認知行動療法(CBT)

当クリニックでは、外来通院患者様を対象に認知行動療法を行っています。当クリニックの認知行動療法の概要についてはこちらのblog記事をご参照ください。

最後に

カサンドラ症候群やその他の関係性の問題に直面している場合、一人で抱え込まずに専門家の助けを求めることが重要です。当クリニックでは、一人ひとりの状況に合わせた支援を提供することで、より良いメンタルヘルスの実現に向けて共に歩んでいきます。

情緒的な苦痛や関係性の問題は、多くの場合、複雑で扱いが難しいものです。しかし、適切なサポートと理解を得ることで、改善への第一歩を踏み出すことができます。ご自身や大切な人がこのような状況にある場合は、遠慮なく私たちにご相談ください。

この記事がカサンドラ症候群についての理解を深め、対処法を見つける一助となれば幸いです。あなたやあなたの大切な人が健康で充実した生活を送れるよう、私たちはサポートさせていただきます。お困りの方は一度ご相談ください。

(⇨「初回無料相談」はこちら

 

取扱い機関:<こころ相談ナビ>

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