カサンドラ症候群サポート
カサンドラ症候群とは、主に発達特性(ASD傾向など)を持つパートナーとの関係性の中で、深い孤独感や精神的疲弊を感じる状態を指します。正式な医学用語ではありませんが、自閉症のある人とのパートナーシップにおける特有の課題として認識されていて、心の健康に大きな影響を与える現象として、近年注目されています。
ASD傾向のある方は、悪気があるわけではなく、感情のやりとりや相手の気持ちを汲み取ることが苦手な傾向があります。そのため、パートナーとの関係において「心が通じ合わない」と感じやすくなります。
一方で、相手側は「わかってもらえない」「自分の愛が届かない」と感じ続け、孤立感を深めていきます。カサンドラ症候群の状態をそのままにしておくと、心と体のバランスが少しずつ崩れていくことがあります。気分の落ち込みが長く続く。急に涙が出たり、怒りが止まらなくなる。頭痛やめまい、胃腸の不調が出てくる。眠れなくなる、朝起きるのがつらい。自分の価値を感じられなくなる。「このままではいけない」と思っても動けない。このような状態が続くと、うつ病や不安障害、心身症などに進行するリスクもあります。
「病院に行くほどでは…」「誰かに話すのは怖い」「受診したからと言ってどうなるものでもない」など感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも、受診は自分を守るための大切な一歩となります。
当クリニックでのサポート
① まずは、ご自身の気持ちを整理する時間
ご自身のこれまでの体験や今のつらさを、安全な場所で言葉にしていただきます。
話すことで「こんなふうに感じてよかったんだ」と、自分の気持ちに気づくことができます。
② 状態の確認と必要なサポートのご提案
医師が、心や体の状態を丁寧にお伺いし、必要に応じて
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心のケア(カウンセリングや心理的支援)
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お薬によるサポート(眠れない・不安が強い場合など)を提案します。
無理に治療をすすめることはありませんので、ご安心ください。
③ パートナーとの関係性の再構築のサポート
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認知行動療法などの精神療法・心理療法
ご自身を守りながら関係性に向き合う方法を一緒に考えていきます。