自分の意思に反してある考えが頭に浮かんで離れず(強迫観念)、その強迫観念で生まれた不安を振り払おうと何度も同じ行動を繰り返してしまうこと(強迫行為)で、日常生活に影響が出てしまう状態をいいます。例えば、手が不潔に思えて過剰に手を洗ってしまうことや、戸締りなどを何度も確認せずにはいられないといったことがあります。 

強迫性障害の症状

代表的な強迫観念と強迫行為の内容として、次のようなものがあります。

(1) 不潔恐怖と洗浄
汚れや細菌汚染の恐怖から過剰な手洗い、入浴、洗濯を繰り返す、ドアノブや手すりなどが不潔だと感じて触れないなど

(2) 加害恐怖
実際にそうではないと分かっているのに誰かに危害を加えたかもしれないという考えにとらわれて、新聞やテレビに事件・事故(ひき逃げなど)として出ていないか確認したり、警察や周囲の人に直接確認したりするなど

(3) 確認行為
戸締まり、ガス栓、電気器具のスイッチを過剰に確認する(何度も確認する、じっと見張る、指差し確認する、手で触って確認するなど)

(4) 儀式行為
自分の決めた手順で物事を行なわないと恐ろしいことが起きるという不安から、どんなときも同じ方法で仕事や家事をする

(5) 数字へのこだわり
不吉な数字・幸運な数字に縁起を担ぐというレベルを超えてこだわる

(6) 物の配置、対称性などへのこだわり
物の配置に一定のこだわりがあり、必ずそうなっていないと不安になる

治療について

OCDは、日常生活に深刻な影響を及ぼすため、治療が必要です。認知行動療法や薬物療法など、多くの治療法があります。通常、心理療法と薬物療法を組み合わせて治療をおこないます。 OCD の治療に使用される薬には、強迫観念や強迫的な行動を軽減するのに役立つ選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI) が含まれます。

認知行動療法 (CBT) は、OCD の治療に効果的であることがわかっている心理療法の一種で、個人が強迫観念を理解し、挑戦し、制御された環境で恐怖の状況に徐々にさらされて不安を軽減するのに役立ちます。またこれは、曝露反応防止（ERP）療法として知られています。
その他の心理療法として、アクセプタンス アンド コミットメント セラピー (ACT)があります。これは、個人が自分の考えや感情を変えようとせずに受け入れるのを助け、代わりに、自分が価値を見出し、人生で意味のあることを見つけることに集中するのに役立ちます。
特に症状が重い場合は、入院治療や日帰り入院治療など、より集中的な治療が必要な場合があります。
OCDの症状の可能性があると思われる場合は、できるだけ早く専門家の助けを求めることが重要です。適切な治療により、症状が緩和され安定した日常生活に戻ることが期待できます。
上記のような症状があり、お困りの方は一度ご相談ください。＜初めてご利用される方へ＞