摂食障害(拒食症/過食症)の治療
摂食障害とは、極端な食事制限や、過度な量の食事の摂取などを伴い、それによって健康に様々な問題が引き起こされる依存症の一種です。拒食症と過食症が繰り返される場合も多くあります。この問題は、単なる「食行動の問題」ではありません。心と体のバランスが崩れた結果として現れる、深い心のサインと捉えて対応していくことが重要です。
治療の基本的な流れ
① 初診・問診
まずは、詳細な問診を行い病歴や生活歴を伺います。問診によって、摂食障害の背景にある問題がどのようなものであるのかを探します。
② 身体の安定化
極端な低栄養状態がある場合は、まず体の安全を守ることが最優先です。入院が必要になることもあります。
③ 精神療法・心理療法(カウンセリング)
● 認知行動療法(CBT)〈当クリニックの認知行動療法の説明はこちら〉
食や体型への考え方の歪みに気づき、より現実的な思考パターンへと変えていくための方法です。自己理解を深めながら、ストレスへの対処スキルも学びます。
● 対人関係療法(IPT)
人間関係のストレスが症状の悪化と関係している場合、対人関係の見直しを行います。
● 家族療法
とくに思春期の方において、家族の理解と協力が回復に大きな力となります。
④ 栄養指導
管理栄養士による食事指導を通して、「安全に食べること」への理解と実践をサポートします。
⑤ 薬物療法(必要に応じて)
精神療法の効果を高めるために、投薬による治療を併用する場合もあります。例えば、気分の落ち込みや不安が強い場合には、抗うつ薬や抗不安薬などが処方されることもあります。
当クリニックでのサポート
体重が元に戻っても、その背景にある心の問題を解決する必要がありますので、拒食や過食の症状がみられた場合は、体重の増減による自己判断で治癒したとするのは間違いです。
摂食障害の回復には、時間がかかることが普通です。焦らず、ゆっくりと、少しずつ「回復への階段」を登っていくことが大切です。
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「治りたい気持ち」と「治るのが怖い気持ち」の間で揺れることもある
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一進一退でも、あきらめずにサポートを受け続けることが大切
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自分を責めないこと、頑張っている自分を認めることが回復への力に
私たちは、あなたの「回復したい」という気持ちに寄り添いながら、一歩ずつサポートしていきます。もし摂食障害の問題に悩んでいるなら、専門的なサポートを受けることで、一歩踏み出していくことが大切です。まずは<診療前相談(オンライン)>にて心楽にご相談ください。あなたにとって最適な治療法をご提案させていただきます。